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堀北真希(23)が主演するNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(来年4月2日スタート、月~土曜・前8時)の茨城県高萩市内でのロケが14日、公開された。壮大な敷地に終戦直後の東京の焼け野原を再現。東日本大震災の被災地の景色が頭をよぎったという堀北は、くしくも震災で被害の大きかった茨城県でのクランクインに決意を新たにした様子。「絆や命、人と人のつながりを伝えたい」と意気込んだ。
終戦直後の東京・蒲田の焼け野原を、広大な敷地に再現したオープンセット。バラック小屋や闇市、がれきの山などが、当時の資料を基にリアルに築かれた。ベテラン美術スタッフが「これだけ大規模なものは初めて」と話すように、朝ドラ史上最大級のオープンセット。堀北は「この世界観に圧倒されるばかりです」と目を丸くした。
堀北は戦後の復興期の東京・蒲田を舞台に奮闘する町の女医・梅子を演じる。10日に同所でクランクインした際に“使命感”が芽生えた。「この景色を見た時にパッと頭に浮かんだのは3月11日に大きな被害に遭われた町の様子だった。すごく悲しい気持ちになりました」。震災からの復興を目指す今の日本と、ドラマの設定がどこかリンクした。
くしくも東日本大震災で大きな被害を受けた茨城県でのクランクイン。地元の期待は大きい。堀北は「絆とか命とか、見てくださった皆さんの周りにもたくさんの人がいるよ、というメッセージを伝えられれば」と表情を引き締めた。
全国の幅広い年齢層の視聴者が楽しみにしている朝ドラ。共演者の思いも同じだった。梅子の母を演じる南果歩(47)は「何もないからこそ、みんなで生き抜く結束や、戦後の焼け野原で自分の道を探していく梅ちゃんがどう育っていくかを見守ってほしい」。梅子の幼なじみ役の松坂桃李(23)も「笑顔を届けられたら」と意気込んだ。
ロケは今月下旬まで出演者、スタッフ合わせて150人態勢で行われる。のべ200人のエキストラのうち50人が地元の人だ。「戦後の日本になじんでいきたい。少しずつ梅ちゃんというキャラクターを形にできれば」と堀北。茨城の、そして日本の期待を背負って役作りに没頭する。
◆梅ちゃん先生 連続テレビ小説第86作。戦後復興期の東京・蒲田で、命と向き合う女性医師の奮闘記。自分に自信が持てなかったヒロイン(堀北)が医師となって診療所を開き、地域医療に生きていく姿を描く。他に片岡鶴太郎(56)が町工場の職人、大島蓉子(56)が片岡の妻を演じる。